★宮崎の高校野球★ |
宮崎の高校野球★野球史観 |
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| 宮崎の高校野球は、全国的に見てあまり活躍した印象がありません。 平成17年夏の時点で、宮崎の高校野球チームは54を数えます。 その中で、夏の甲子園大会で、ベスト4まで残って旋風を巻き起こした学校は、遠く昭和39年の宮崎商業まで遡らなければなりません。 そして、続く翌昭和40年の高鍋高校の2校だけです。この辺りが宮崎の高校野球の黄金時代でした。 8強まで進んだ学校にしても日南学園(平成13年)、小林西高(平成5年)、都城商業(昭和56年)の3校だけです。 したがって、優勝はもとより決勝戦まで勝ち進んだ学校は皆無です。これは、春の選抜大会でも同じようなことが言えます。 |
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このページの目次 1、第79回センバツ高校野球・都城泉ヶ丘 2、第89回全国高校野球宮崎大会 3、第89回全国高校野球宮崎大会決勝戦 4、第89回全国高校野球選手権・日南学園 5、思い出の夏 第85回記念夏の高校野球宮崎大会 6、思い出の夏 第86回夏の高校野球宮崎大会 7、思い出の夏 第87回夏の高校野球宮崎大会 このサイトで紹介している北海道のチームとも甲子園で何度か対戦しています。 最初は、昭和38年に宮崎商業が、初戦で函館工業と対戦8-1で勝利しました。翌年には4強に進出した宮崎商業が初戦で旭川南を2-0で退けています。 昭和55年には日向学院が旭川大高と1回戦で対戦し、この時は4-3で旭川大高に軍配が上がっています。続く昭和56年は8強進出を果たした都城商業が2回戦で帯広工業を6-1で破っています。 さらに対戦は続き、昭和58年高鍋高校が旭川龍谷高校と初戦で対戦し10-2と圧勝しました。ここまでは5回北海道勢と宮崎勢が対戦し、4勝1敗と宮崎勢が勝ち越しています。 この頃は、寒冷地のハンディーがあり組み合わせ抽選で北海道、東北勢との対戦が決ると「初戦はもらった」との風潮がありました。 その後20年以上の間、対戦がなく経過してきましたが、その間に状況は一変し北海道、東北勢のレベルが急上昇、平成16年には駒大苫小牧高校が全国の頂点にまで上り詰めました。 そして迎えた平成17年夏、宮崎県代表として初の甲子園に乗り込んだ延岡聖心ウルスラ高校の初戦の相手が前回大会の覇者・駒大苫小牧高と決まり、22年ぶりに北海道勢との対戦が実現しました。 しかし、前述のごとくこの22年間で両地区のレベル差は激変し、かって、組みし易しと、高をくくっていた北海道勢は過去のものとなりその面影は全くありませんでした。 「夢の舞台に出場しただけで満足」する宮崎の高校野球チームが、全国大会の連覇を目標とするチームに勝利するはずもありません。 打者は常時140kmを超えるストレートと切れ味鋭いスライダーに手が出ず、自陣投手陣は相手のスキを突く走塁にペースがつかめず、投攻守走すべてにレベルの違いを見せ付けられてあえなく初戦で姿を消してしまいました。 宮崎県は、気候に恵まれどこの高校の野球部も平均以上の練習施設が整っています。特に、私立の野球部の施設は大学や社会人チームのそれを上回るほどの立派さを誇っています。 しかも、宮崎はプロ野球キャンプのメッカと言われ、毎年、秋と春には多くの球団がキャンプに訪れます。高校球児にとってその気になれば、目の前でプロの高等な技術や基本的な練習をいつでも見ることが出来る環境にあります。
1年中、土の上で練習が出来るだけでも(冬の間、雪に閉ざされる)北国のチームと比べて幸せのはずですが、水や空気と一緒で当たり前にあるものに対しての意識が希薄になっていて、その有り難さがどこかに消えてしまっています。 ある意味仕方ないのかもしれません。プロの練習を意識的に見学することについても同じことが言えます。 一般的に北国の人々は我慢強く、粘り強いと言われます。自然環境が厳しいので自然自然に身につくのでしょうか。 一方、宮崎は気候が温暖で競争意識に乏しく、いつものんびりした印象を持たれています。 スポーツをする上にも、そのような宮崎人の人柄が反映し好結果につながらないと言うケースがよくあります。 宮崎の高校野球チームが始めて夏の甲子園の土を踏んだのが昭和29年の高鍋高校でした。 その前年に、滋賀県の八日市高校が憧れの地を踏みしめていて、最後まで経験することが出来なかったのが宮崎県勢です。 娯楽の少なかった当時は高校野球の人気は、全国的に高く、NHKのクイズ番組で、「甲子園に行ったことのない県は?」なんてクイズにまで出題される始末。当時を知る人たちに聞くと、 「これほど屈辱的なことはなかった」と口を揃えます。 それだけに、昭和29年の高鍋高校の甲子園初出場が決まった時は、県全体でたくさんのファンがラジオにかじり付き、出場が決った瞬間は喜びを爆発させました。 特に、地元高鍋町の中心部は試合が終わるまで通りに人影が見えず、勝った瞬間には、街中が大騒ぎしその騒ぎは同校が甲子園へ出発するまで続いたと言われています。 高校野球は、勝つことが全てではありません。あくまでも教育の一環ではありますが、勝つ喜びを仲間たちと喜び合い、負けた時は悔しさをぶっつけ何故負けたかチームメイトと語り合って欠点を補い、「次は絶対勝つぞ!」と、互いの絆を深め合うところに野球をはじめクラブ活動の教育の一環たる由縁があると思います。 昭和29年に高鍋高校が甲子園に足跡を記してから、平成17年の夏までに宮崎の高校野球チームで甲子園を経験した学校は23校に上ります。 これは県高野連加盟54校の4割強です。ひとつの強い学校が甲子園を独り占めするのではなく県内の多くの学校が憧れの舞台を経験しています。 また、夏2年連続甲子園に出場した学校も昭和38、39年の宮崎商業1校しかありません。以後は毎年のように代表校が変わっています。この辺りにも宮崎勢が大舞台で活躍出来ない理由が潜んでいます。 恵まれた気候、隣県に強豪校がいるなど恵まれた環境、私学を中心に恵まれた施設、さらにプロ野球のキャンプなど刺激材料には事欠きません。 私自身高校野球が大好きです。当然のごとく地元宮崎の高校チームには深い思い入れがあります。いつの日にか、あの深紅の大優勝旗がここ日向の地にもたらされるのを夢見て毎年、毎年飽きずに地元宮崎の高校野球を応援しています。 ![]() 宮崎サンマリンスタジアム(第86回宮崎大会開会式) 泉ヶ丘高校出身の東国原英夫(そのまんま東)知事が誕生したのが、1月21日。その5日後、同校は100年来の喜びに包まれました。 宮崎県高野連から第79回センバツ高校野球の21世紀枠に推薦去れていた都城泉ヶ丘高校。 1月26日午後、待ちに待った甲子園出場の嬉しい知らせがもたらされました。 明治32年5月に学校が創立し、野球部もその2~3年後の明治35年頃に創設された宮崎県内では、文武両道の屈指の伝統校です。 既に100年以上の時が流れ、あるOBは目の黒い内に甲子園に行ってもらいたいのだが。と、かねがね申しておりました。
こんなに学校や野球の歴史がありながら、宮崎県内の主な公式大会で優勝がなかったことが、宮崎県の七不思議のひとつです。 6年前、副部長から佐々木未応教諭が監督に就任してからは、選手の自主性を重んじ、伝統のチーム力を前面に打ち出した非常にキビキビした動きと、少ない練習時間を工夫して集中力を養う練習を地道に繰り返すことにより、ここ一番の集中力を発揮して県大会でもベスト4まで顔を出す回数が増えていました。 この間、高校生らしい礼儀正しさ、練習の工夫、少ない練習時間のハンディを乗り越え県内の公立校の目標にされるなど、実力も徐々に付きはじめ、他校の模範になるその姿勢が高く評価され宮崎県高野連から2度に渡ってセンバツ大会の21世紀枠に推薦されていました。 残念ながら過去の2度は宮崎県予選で敗退し、甲子園へのキップを手に入れることは出来ませんでした。宮崎南高校時代、好投手として評価の高かった佐々木未応監督も、県内外の学校の練習を見て回るなど研究熱心で、過去2度の21世紀枠に選ばれたことで監督自身、指導に対して自信がついたと言います。 今回、3度目の推薦を受けた現在のチームは、前年のレギュラーがひとりだけとごっそり入れ替わり傑出した選手はいませんが、左腕の好投手諏訪日光を擁し、守備力で勝負するチームです。 主戦諏訪は昨夏から投げていて、経験豊富で打者との駆け引きに長けています。 新チーム結成直後の新人戦は、地区予選を勝ち上がり、本大会は準決勝で都城商業に競り負けています。 続く九州大会県予選は、いずれも接戦を勝ち上がり決勝戦は、宮崎商業に5-0と完勝し、恐らく初めての宮崎県内の主な大会で初の栄冠を手にしました。 原動力となったのは、エースの諏訪投手です。左腕のスリークォーターからキレのある球をコーナーに投げ分ける抜群の制球力を持っています。 九州大会県予選は5試合のほとんどをひとりで投げ抜き、一試合の被安打は5、自責点2、防御率は0.40と並外れた結果を残しました。 第119回九州大会は初戦で大分の豊後大野連合と対戦。12安打と打線が爆発し、先発諏訪も散発の被安打5で7-2と快勝しました。 2戦目は鹿児島商業と対戦しましたが、打力、投手力、守備力いずれをとっても相手が一枚上。 結局、0-7と良いところなくコールドで敗退しました。 この時点で、泉ヶ丘の21世紀枠での甲子園出場が遠くなったと誰もが思いました。鹿児島商業との試合では、宮崎で通用した諏訪の内外角を巧みに攻める投球も、このクラスになるとじっくり球を見極められ、苦し紛れに投じた好球をことごとく跳ね返されて失点を重ねました。 コントロールとともに球威をつけなければ全国では通用しないことが、十分に分かったことでしょう。この貴重な経験を活かし、冬場の走りこみや基礎体力作りでスピードも増しています。 そして、1月26日の選考委員会。宮崎県高野連の松元泰理事長が推薦理由を紹介し、慎重に検討した結果、泉ヶ丘高校の21世紀枠での甲子園出場が決りました。 今回の決め手は過去2度推薦を受けていること、地区大会の県予選で優勝し本大会に出場したこと。自主練習、工夫した練習内容、全力疾走など推薦理由が、選考委員の胸を打ったことなどが挙げられます。
出場の知らせは、選考委員会から午後3時に泉ヶ丘高校の校長宛に伝えられ、決定と同時に市内のあちこちから花火が上がり、都城市役所ではクス玉が割られるなど、待ちに待った朗報に市全体が大きな喜びに包まれていました。 5日前に初当選した東国原英夫新知事といい、野球部の甲子園出場といい都城泉ヶ丘高校は春から縁起の良いことが続いています。 第79回センバツ高校野球大会は3月23日から阪神甲子園球場で開幕します。注目の抽選会は3月15日に行われます。都城泉ヶ丘の甲子園での健闘を心から祈ります。 都城泉ヶ丘高校の横顔 宮崎県立都城泉ヶ丘高等学校(みやざきけんりつみやこのじょういずみがおかこうとうがっこう)は、宮崎県都城市にある共学の公立高等学校である。伝統校であり、県内有数の進学校である。 9割以上の生徒が進学し、平成18年度には国公立大学に200名が合格した。旧帝国大学や、各国立・公立・私立大学に多くの卒業生を送り出している。現在の設置学科は、全日制の普通科と理数科、定時制の普通科と商業科である。全日制の普通科(6クラス)は2年次から、理数科(2クラス)は3年次から文系コースと理系コースに分かれる。ただ、平成18年度入学者より普通科が5クラスに変更された。朝7時40分より課外授業があり1日8時限授業。3年生になり部活動を引退すると午後にも課外授業が組まれる。 体育部・文化部共に部活動が非常に盛ん。特に野球部は2007年に、第79回選抜高等学校野球大会に堅い守備力を評価され21世紀枠に選出され初出場の切符を手にした。 また、ソフトテニス部なども全国クラスである。
都城泉ヶ丘高校の甲子園での初勝利おめでとうございます。 いやぁ 夢舞台でここまで自分たちの野球が出来るとは・・・。驚きました。 試合前は、正直なところ点が取れるのかと、失礼なことを思っていました。実際、秋の一連の大会を観ていても打撃の非力さが目に焼き付いていましたから。ところが、ひと冬越して大きく変貌を遂げていました。 桐生第一の先発左腕は、最速140㌔のストレートとカーブ、スライダーを持った全国クラスの大型投手です。 前半は、そのスピードに力負けしていました。四回表は2番から始まる好打順も3者連続三振に切って取られ、五回表は、初安打と死球で出た走者を犠打で進めて二死2、3塁の場面、九番ながら好打者の林がストレートに手が出ず見逃しの三振に倒れ、六回は投球を肘に受けて出た2番桑木と打者原口の間で仕掛けたヒットエンドランを打者が空振りするも盗塁に成功。原口も2-1から直球を詰まりながらも右前に運んで一死1、3塁の絶好の先制機を迎えました。、しかも打順は中軸の4番福田です。ここで点が取れなかったらズルズルと最後まで行ってしまう場面です。佐々木未応監督としてはどうしても先制点が欲しいはず、4番と言えども泉ヶ丘野球ではスクイズとだれもが思ったことでしょう。ところが、簡単に追い込まれて結局はストレートに振り遅れて空振りの三振。続く好打者の諏訪もフルカウントからの直球勝負に空振りの三振に倒れました。これは最後まで点が取れないなと予感させる試合展開でした。 しかし、流れは確実に泉ヶ丘に来ていました。3巡目を迎えて打者も相手投手の球筋に慣れてきたのでしょう。得意の粘りとしぶといバッティングが身上の打線が目を覚まします。終盤に入った七回、6番竹脇がファールで粘りに粘って2-3から低目の直球をライト前へ持っていき3度目の無死からの出塁。7番向井がすかさず送ってまたも好機を迎えます。ベンチがどう動くか。手堅くバントで二死にしてでもと思った瞬間、2塁ランナーが3塁へ。大胆にもランエンドヒットと積極策に打って出てまたも一死3塁、今度こそスクイズで先制の場面を迎えました。
しかし、スクイズの気配は一向に見えず2ストライクと追い込まれ強行策かと思った5球目に意表を突くバントが捕手の前にころがり、ノドから手が出るほど欲しかった1点が入りました。接戦を予想し後半勝負と見ていたまさに泉ヶ丘らしい点の取り方です。泉ヶ丘は、九回先頭の向井が右中間にこの試合初の長打を放ち、バントで3進した一死3塁の追加点のチャンスを作りました。ここで9番林が1-2から投手前へスクイズをきっちり決め、3塁から向井を迎え入れて貴重な2点目が入りました。その裏、桐生第一の反撃を諏訪が落ち着いてかわして、叶えた「100年の夢」を初戦突破と最高のカタチで飾りました。 都城泉ヶ丘高の勝因は、普段実践している自分たちの野球を晴れの舞台で存分に発揮したことに尽きますが、その原動力はなんと言っても主戦左腕・諏訪日光投手の快投でしょう。桐生第一の福田監督が「好投手と聞いていたがここまで良いとは・・・。3点取るのは難しいと思っていたが、打てませんでした。」と脱帽していたのが印象的です。 やや下がり気味の左のスリークォーターから投げる球には切れがあり、ストレート、スライダー、カーブ、シンカーをコーナーに投げ分け打者に的を絞らせない投球は見事でした。打たれた安打が初回の3塁内野安打と最終回の中前ヒットのわずか2本。特に四回無死で死球の走者を出してから九回2アウトまで一人の走者も出さないしかも、ほとんどの打者が内野へのゴロと言うのはいかに低目にボールがコントロールされていたかを物語っています。ストレートの最速は130㌔ソコソコながら、それを補って余りある投球術とテンポの良さが、守備陣にもリズムを生み軽快な動きが打撃にも好影響を与える全員野球を演出していました。 同校の先輩に当る東国原英夫(そのまんま東)宮崎県知事も、「名誉ある勝利。大化けに化けるかもしれない。決勝は大阪桐蔭と」などと、冗談半分に話していましたが、春は得てして大会中に成長したチームガ栄冠をつかむことが良くあります。相手が関東の強豪で夏は全国制覇の経験もある桐生第一と言うことを考えると、知事のジョークもあながち冗談では片付けられないほどの快勝だったことは紛れもない事実です。 ここ数年、甲子園に出場した宮崎勢を見ますと、故障や大舞台に気後れして普段の力を発揮出来ずに初戦敗退するケースが目立っています。そんな中で今日の泉ヶ丘の戦い方は、今までの県勢とひと味もふた味も違って、勝つべくして勝ったと言うまさに甲子園での「勝利の方程式」を実践したような気がします。 泉ヶ丘の次の対戦相手は、北大津(滋賀)と大垣日大(岐阜)の勝者と。初戦を経験したナインにとっては2戦目は、より地に足の着いた自分たちの野球ガ出来るはず。どちらのチームが出てきても好試合は必至。期待して見守りたいと思います。
「最高 !ものすごく嬉しい。ムチャクチャ気分が良い。」、「今までで最高に気持ちが良い・・・。」、「ここで負けると思っていた。先のことはまだ考えていない。今は2勝したことに酔いたい。」愛知の名門・東邦高校を率いて24度の甲子園を経験している百戦錬磨の阪口監督が、興奮を抑えるようにインタビューに答えてそう語っていました。昨春、新天地に移ってまだ2年目、よっぽど嬉しかったのでしょう。 裏を返せば都城泉ヶ丘高校の戦力をそれだけ高く評価していたことになります。 実際、負けはしましたが、泉ヶ丘高校は持ち味の守備で随所に好プレーを披露し、打撃でも初回に相手好投手に力負けすることなく芯で捉えるクリーンヒットを4本連ね1点を先制しました。 泉ヶ丘の2戦目は、希望枠で出場の大垣日大(岐阜)です。ともに初出場ですが、大垣日大は本格派右腕を擁し、抜群の守備力と出場校中2番目の高い打率を地区大会で残した投攻守3拍子揃った強豪校です。 時折、テレビが映すベンチの様子から、初戦を戦った泉ヶ丘には「自分の庭」でプレーしているような落ち着きとリラックスムードが垣間見えます。この試合では打順を1回戦から大幅に入れ換えて臨んでいます。 そんなリラックスした選手が自分達の野球を開始早々から展開しました。初回表、一死から2番森山がセンターへライナーで弾き返して出塁、3番に入った諏訪もレフトへ持っていき一死1、2塁、早くも先制のチャンスです。しかも、バッターボックスには4番福田が入っています。 期待に応えて主砲の放った打球は三遊間をあっと言う間に抜けて、2塁から森山が俊足を飛ばしてあっさり1点が入りました。冬場の右投手攻略の練習が早くも実を結びました。続く竹脇も中前に安打、2塁ランナー諏訪は3塁で自重し、一死満塁。うまくすれば大量得点のチャンスです。ここまでの打者は、ノビノビと思い切った自分達のスイングをしていたのが印象的でした。 一方、大垣の主戦・森田は、「こんなはずでは」と、明らかに焦りの色が見えます。しかし、経験豊かな監督はこんなピンチにこそ力を発揮します。的確なアドバイスが功を奏したのでしょう。我に返った主戦は、得意の鋭いスライダーを駆使して後続の林、向井を空振りの連続三振に切って取りました。 泉ヶ丘にとってはもう1~2点手堅く入れておきたかった初回の攻撃でした。 ここでまたベテラン監督の采配が見られます。何とか1点に抑えてベンチに戻ってくる大垣日大の選手に満面の笑顔と大げさなジェスチャーで喜びを表します。「4本も打たれて良く1点に抑えたな。お前達、すごいよ。」選手も監督が笑顔一杯で自分達を迎え、誉めてくれて嬉しくないはずがありません。「やってやろう」と言う気にだれしもなります。 案の上、1点取られたその裏、先頭の小川が1-3からカウントを取りにきた諏訪の得意球のスライダーをレフトへライナーで運びました。諏訪の表情が一瞬こわばりました。2番の送りバントで一死2塁の場面、中軸を迎えて力が入っているのでしょうか、球が上ずります。 3番は高目の球で仕留めツーアウトとしましたが、4番大林に内角の甘いストレートを右翼線に持っていかれる2塁打を喫して同点に追いつかれました。 さらに1、3塁の場面で6番箕浦に真ん中に入ったスライダーを叩かれショートを強襲する内野安打で2点目を取られ逆転を許しました。さすが大垣日大の打撃は非凡なものがあります。 四回は先頭の森田が左前打で出ると続く箕浦の打球は諏訪を襲う内野安打で無死1、3塁。7番北上はスライダーに泳ぎショートゴロ併殺。この間に3塁ランナーが還って3点目が入りました。八回裏は、2塁打2本で1点を追加され結局、1―4のスコアで2回戦で敗退しました。 主戦諏訪は初回こそ乱れましたが、その後はバックの好守備もあって何とか踏ん張り、被安打10ながら失点4、無四球完投は立派な内容です。
佐々木未応監督は、試合後のインタビューで「うちらしいゲームは出来たが、勝つにはもう少し力が足りなかった。相手が球際の強さで1枚上だった。」と語っていました。 六回裏、二遊間に飛んだ難しいゴロを回り込んで処理、アウトにした林2塁手、七回一死2塁で右中間に上がった飛球を飛び込んでキャッチ、素早く2塁に転送し併殺を完成させた道久(どうきゅう)中堅手を筆頭に内外野ともキビキビした動きで、この試合無失策、3併殺など守備面は泉ヶ丘高校の持ち味を存分に発揮したと言えます。 守備に関しては及第点でしょう。もちろん、諏訪日光投手の快投も見逃せません。 外を主体に横の揺さぶりと緩急をつけて打者のタイミングをはずした頭脳的な投球は甲子園に強いインパクトを与えました。「夏にまた来いよ」甲子園のファンは温かい声を掛けてねぎらっていました。 ナインはもう一度、こんどは夏に戻ってくることを誓ったのでしょう。誰ひとり「甲子園の砂」を持ち帰る選手は見当りませんでした。 甲子園にさわやかな「泉風」を巻き起こした都城泉ヶ丘高校の活躍は、他の宮崎県勢に大きな刺激を与えたはずです。同じような境遇の県立高校は、「自分達もやれば出来る」と。私立勢は、「泉に出来て俺達にやれないはずがない」と。 夏まで4ヶ月余り。県内の勢力図は昨年のような私立一辺倒と違って、県立勢も比較的戦力が整っていて混戦模様です。4月には新しい血を注入してより活気が出てきます。「最大の目標」に向けて始まる最後の直線勝負。今年はどこの学校が晴れの栄冠を勝ち取るのか。楽しみな4ヶ月になりそうです。 |
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| いよいよ始まりましたね。夏の高校野球が。私にとっての宮崎の夏は、高校野球宮崎大会から始まります。この季節になると、幾つになっても心がウキウキします。高校野球の公式戦は、年に5回行われますが、この夏の大会はやっぱり格別です。 「今年はどこが甲子園に行くのだろうか」とか、「どんなドラマが展開されるのだろうか」とか、「新しいヒーローは生まれるのだろうか」などなど。 また、毎年この時期にしか会えない野球ファンもたくさんいます。今年は7月7日開幕でしたから、七夕そのものです。残念ながら雨でしたが。 ところで、雨と言えば今年は、かなり厄介になりそうです。開会式も水浸しのサンマリン宮崎で強行しましたが、試合は出来ずじまい。天気予報を見ても傘のマークばっかりです。 では少しずつ、今年の大会の見所を私なりに書いていきます。 |
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雨の中の開会式・第89回全国高校野球選手権宮崎大会 |
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| 雨には困ったもんですね。 第89回全国高校野球選手権宮崎大会は、梅雨末期の長雨にたたられて、日程が消化できない日々が続いています。 7月7日に、予定通りに開会式は行われました。 しかし、今年は、特待生問題など私学勢はもちろん、公立高校にも迷惑と不安を与えたことから、最後の年に当る3年生には少しでも良い思い出を作ってもらいたいと、宮崎県高野連上層部が、大雨にもかかわらず、広い「サンマリンスタジアム宮崎」での開会式を強行しました。この措置に保護者や関係者から多くの賛同の拍手が挙がり上がりました。 さらに、大会登録メンバーに入れなかった3年生全員も入場行進に参加する措置を施す全国初の試みも大成功を収めました。ベンチにも入れず、歯を食いしばって頑張ってきた3年生には、大変良い思い出ができたことと思います。
そして、開会式が終わり、「いざ出陣! 」と、各校が気合を入れ直した直後から雨脚が速くなり、その後、連日雨に泣かされて、大会5日目を迎えても、まだ5試合しか消化されていません。 ここ10年間を見ても、昨年は雨の中で開会式を強行しましたが、翌日からはゲームが出来るコンでションになりましたし、一昨年も開会式直前に強くなった雨のため、式場を軟式野球が出来るほどの広さを誇る「木の花ドーム」に急遽移して、入場行進と開会式を終えると、翌日から1日遅れながらスケジュールは順調に消化されました。 そんな訳でここ10年間は1~2日の順延はあったものの、大会日程を無事消化して甲子園代表校が、決っていました。 思い出すのは、平成5年の75回記念大会の時です。この大会の雨は、特にひどいものでした。 第2シードの延岡学園が、準々決勝の小林西高戦を前に、雨が降り続き、スクールバスで、当時、宮崎市錦本町(現在の宮崎北警察署隣)にあった県営球場まで、毎日毎日来て待機、順延が決るとまた、延岡まで帰ることを繰り返していたのが思い出されます。 確か3日間ほど、同じことを繰り返したと記憶しています。 体調や気力に影響が出ないはずはありません。 案の定、やっと試合が出来るようになると、それまで、快調に打ちまくっていた打線が小林西高・笹山投手の前に、沈黙し0-2で敗退しました。もっとも、大会ナンバーワン右腕に十分過ぎるほどの休養を取られたら、いくら強力打線でも打てるはずがありません。 小林西高は、第2シードの強豪・延岡学園を破ったことで、勢いに乗り日南高校、都城高校と撃破し、宮崎県西部いわゆる西諸地方からはじめての甲子園出場を果たしました。 結局、雨にたたられたこの大会は9日間も日程が伸び伸びになり、決勝戦が行われたのは8月に入ってからの3日と、異例のロングランになりました。当時も宮崎市営球場(現在のひむかスタジアム)との併用でしたが、降り続く雨に関係者はやきもき。だが、どうすることも出来ず、小林西高は優勝の余韻に浸る間もなく甲子園へ旅立っていきました。
今日は、2007年7月11日です。 大会が始まったのが7日。初日に試合が出来なかったのをはじめ予定では現在までに21試合は消化しているところですが、まだ5試合のみ。この先天気予報も雨マークが続いています。南海上をゆっくり北上する台風の動きも気になります。14年前の悪夢は「もうケッコウ」と、願い下げたいところです。 ところで、この1年間はいろいろありました。一番大きな問題、世間を騒がせたのは私学への特待生問題でしょうが、この問題は4月に日本中で容認派、反対派など喧々諤々の熱い議論が交わされました。 結局、関わっている学校は5月の1ヶ月間対外試合禁止、責任教師も5月1ヶ月間の謹慎処分で、とりあえず落着。現在、落ち着いています。 プロ野球西武から選手への金銭供与や日本学生野球憲章が禁じる特待生制度の存在が発覚し、この問題の発信源となった専大北上高校(岩手県)も5月24日、日本高校野球連盟(脇村春夫会長)に再加盟を申請して6月に受理され日本高野連は再加盟を認めました。一端、野球部を解散し、「野球同好会」に移行した同校ですが、1ヶ月あまりで元の木阿弥。今夏の第89回全国高校野球選手権岩手大会に参加できる見込みです。 この間の大騒動は一体何だったのでしょうか。やっぱり、というかろくに現状の把握もしないで原則論で突っ走った結果は、振り出しに戻っただけです。最初にボタンを掛け違えた高野連の上層部は、猛省すべきでしょう。 カネになる野球が、カネと無縁でいられる訳がありません。 『汗と涙と泥にまみれた青春』・・・美化したイメージで突っ走ってきた日本高校野連は、もっと現実の世界を理解しなければなりません。いつまでも、高齢者が椅子にふんぞり返っていては「裸の大将」から脱却できません。 そんな批判が続々寄せられたのか、日本高野連は、2009年度以降の生徒募集に向けた特待制度の基準づくりについて議論する第三者機関、「特待生問題有識者会議」の委員15人を発表しました。第1回会議が東京都内で公開で行われ、10月初めまでに提言をまとめることになりました。
しかし、委員の顔ぶれを見ますと、一部の委員を除いて、「これで何が出来るのだろうか」と、首をかしげる人選です。 たとえば、元プロ野球ヤクルト選手の栗山英樹氏、シドニー、アテネ両五輪でメダルを獲得した女子ソフトボール元日本代表監督の宇津木妙子氏、写真家の浅井慎平氏、さわやか福祉財団の堀田力理事長らスポーツ、教育、法曹界など幅広い分野の面々です。 とりあえずは、お手並み拝見と言ったところでしょうか。 また、来年度の入学予定者に対する特待制度については経済的支援を必要とする生徒に限り、暫定的に容認されましたが、2009年度以降については結論は出ていません。会議では野球部員の特待制度を禁止する日本学生野球憲章の見直しも含めて議論するそうです。 日本高野連の脇村春夫会長は「提言は尊重するが、われわれも都道府県高野連と議論しないといけない」と話したそうですが、すべての行動が中途半端で遅すぎます。 ちょっと、横道にそれてしまいました。 気になりますのが、今年の大会の行方ですよね。既に、大会は始まっていますが・・・・・・。 5月の宮崎県選手権大会に私立の11校が特待生問題で参加を辞退したことが、どう本番に響くか。これは、実際のところフタを開けてみないと分からないでしょう。 とは言えその間、各校とも豊富な練習量を積んでいますので、大きな影響はないでしょう。逆に、いつもの年より戦力アップしているかもしれません。抽選にしてもしかり、シード校の顔ぶれは少し変わったかもしれませんが、結局のところ大会の風にうまく乗ったチームが栄冠を勝ち取ることになるのでしょう。 そんな中では、やはり日南学園の戦力が充実しているのは、大方の見方でしょう。 投手の3本柱有馬・湯野・中崎は、いずれもマックス140㎞前後のストレートとキレの鋭い変化球で打者を抑え込む本格派です。 有馬は中学時代からボーイズリーグで騒がれ鳴り物入りで入り、1年次から頭角を現した大会ナンバーワン左腕投手の一人です。 湯野は右の本格派。1年次から実戦を経験し、安心してマウンドを任せられる3年生投手。中崎もまだ2年生で左腕投手です。 春の九州大会県予選は、5試合で失点わずか1、自責点はゼロ。しかも、その後の九州大会も決勝まで進出、長崎清峰に延長十回、逆転を喫し準優勝に終わりましたが、この試合は勝って当然の試合展開でした。 日南学園の一番悪い、気を抜くプレーが顔を出した結果と受け取っています。 打線も不振だった主砲の中本に調子が戻り、上位から下位までどこからでも長打が飛び出し、機を見てはヒットエンドランや単独スチールなど機動力を絡める打線は、相手投手にとって気が抜けません。初戦で自分達の野球が出来、順当にいけば、甲子園への最短の位置にいるのは間違いないところです。 宮崎県選手権の決勝で日向高校の投手陣から19安打で15点を奪って29年ぶりの栄冠を手にした都城商業の戦力充実は目を見張るものがあります。 毎年、原田賢司監督が好チームを作って乗り込んできます。この1年間の公式戦を見ても常に上位に顔を出しています。 ここ2~3年は、甲子園まであと一歩と言うところで、憧れの夢舞台進出を阻まれ悔しい思いをし続けています。 過去3年間、8強、4強、4強と投攻守バランスの取れたチームで申し分のない成績を収めています。 しかし、やはり目標はあくまでも甲子園。第1シードの今年も投の柱の永吉、打では注目の大型スラッガー柏田を擁し、26年振りの甲子園を狙って毎日、最後の調整に余念がありません。 都城泉ヶ丘は、「100年来の夢」を実現して今春のセンバツ大会への初出場を果たしました。夏は、自力での出場を目指し、少ない練習時間を効率的に使ってレベルアップしています。 主戦・諏訪日光は甲子園での一勝が大きな自信となり、緩急をつけたピッチングに磨きがかかってきました。 打者との駆け引きにもより長けてきた気がします。 問題は、センバツでそうであったようにスタミナの持続でしょう。 特に今年のように雨で思うような練習が出来なかったり、晴れても湿気の多い気候で、いつも以上に体力が消耗してしまいます。その辺りが正念場でしょうか。チームカラーが堅実な守備からリズムを作り攻撃へつなげますので、炎天下の集中力維持も勝ち上がるための大きな要素のひとつでしょう。泉ヶ丘の大きなアドバンテージは、選手全員が甲子園を経験していることです。大舞台でのプレーは、目に見えない自信になり緊張感を取り除いて、普段着の落ち着いた自分たちのプレー発揮を無意識に手助けします。上位戦になればなるほどその力は大きなものとなります。 久しぶりにシード入りの宮崎商業の注目は、左腕の大型投手2年生の赤川克紀です。184㎝の長身から投げ込む速球には威力があり、コーナーに決まり出すと攻略に手こずります。身長も昨年からすると2㎝伸び、体重も10㎏近く増え、腰周りが大きくなり下半身がガッチリしてきました。 何と言ってもまだ2年生、しかも左腕の大型投手。将来を見据え、こじんまりとまとまらず、大きく育ってもらいたいものです。チームの特徴は守備力。打線に破壊力がなく大量点が望めないため、しっかり守り抜き、赤川、佐藤、落合の投手陣が自分達の役割をきっちり果せば、38年振りの夢舞台の可能性も大きくなることでしょう。 日向高校は、新名と柳田と言う左右の、タイプの違う投手を擁し、上位を伺います。新名は右の本格派でどちらかと言うと緩急をつけて打たせて取るタイプでしょう。柳田は、181㎝の長身を利して投げ込む速球は130㎞台の後半を計測します。 最近は、井上や薄田の2年生コンビが急成長を遂げており、投手陣は万全の状態で大会に臨めそうです。秋、春の九州大会県予選は、2大会とも1回戦で姿を消しましたが、6月に行われました宮崎県選手権では、あれよあれよと言う間に決勝まで上り詰めました。これも投手陣の底上げが進み、打線がしぶとく食い下がった結果ですが、決勝戦で都城商業に大敗した結果をどう受け止めるかで、夏の戦い方、結果も見えてくるものと思います。 織田、黒木投手を擁して夢の甲子園に、始めて乗り込んだのが平成元年。甲子園監督の後を引き継いだ森純雄監督も数多くの好投手を育てて、夢の実現を目指しますが、ここまで憧れの舞台は遠いところにあります。 昨年の春夏甲子園に駒を進めた延岡学園は、今年はどうでしょう。 この1年の成績を見ると、延岡学園としては満足のいくものではありません。いずれも3回戦止まりで優勝争いに一度も絡んでいません。しかし、百戦錬磨の浜崎満重監督のこと、このままでは終わるはずがないと思います。 5月の宮崎県選手権に出場していないため、情報は乏しいのですが、毎年調子が上がって来るのは6月からです。 投手陣は、昨夏を経験した齋藤や壱岐に、2年生の長身石川が調子を上げてきて失点が計算できるようになりました。 一方、良い投手にかかると、なかなか点が取れなかった打線も、甲子園で活躍した米良や大型の森を中心に、犠打や機動力を駆使して得点効率もアップしてきました。守備に破綻を生じなければ、シード校もウカウカできないだけの戦力は有していると見ます。 このところ甲子園から遠ざかっている延岡工業も、久しぶりのシード入りです。しかし、県選手権に私学勢が欠場したからと言う感も強いのは確かです。春の九州大会県予選でベスト四まで進んでいます。 投攻守走どれをとっても平均的でしょうか。打は、場面を考えた打撃で走者を進め、倉橋、谷口で返すパターン。 上位下位ともすごみはありませんが、球に食らい付くバッティングで1点1点を積み重ねる攻撃です。 守備は、内野、外野ともこれと言ったアナはなく堅実でしょう。 特にセンター倉橋を中心に強肩が光ります。延岡工業が、甲子園を目指すには、もう一息といったところ。「絶対甲子園に行く」と言う強い気持ちと気合が必要でしょう。 一昨年、夢舞台を経験した聖心ウルスラは、機動力が持ち味のチームです。この春、専用の立派な練習場が出来上がり、ナインは大いに燃えています。トップの河野が出て足で掻き回し、中軸の黒木周平、黒木将毅で返すのがひとつの得点パターンです。この二人の前にどれだけ走者を溜めるかがキーポイントになります。 下位は今ひとつ確実性がありません。したがって、好投手に当たった時いかに走者を出し、前へ進めるかが勝敗に直接影響します。 守備面は広いグランドが使えるようになり、内野、外野などの連携プレーが出来るようになり守備範囲は確実に広がって守備力も上がっています。 一方、投手陣は小柄ながら左腕の近藤が安定しています。投球術に長けていて打たせて取るピッチングが身上です。他に田原、矢野など実戦経験豊かな投手がおり、本番では継投が予想されます。これら投手陣を成長著しい捕手・檜垣が引っ張ります。 今年、注目しているのが妻高校です。シードではありませんが、主戦森松の投球に注目です。秋、春の九州大会県予選でいずれもベスト8まで進出した原動力は、森松の右腕です。177㎝、68㎏の均整の取れた身体から投げる球にはキレがあり、球速も140㎞近くを計測します。他に落差の大きいカーブが武器の清水、サイドスローの中武完と、揃っています。 打線も比較的良く打ちます。特に、トップの上田やクリーンアップの横山、森松、森川や角田などパンチ力のある打者が揃っています。守りは堅く内野、外野の連携も良く投攻守揃ってアナがありません。 恐らく、ここ10年間で妻高校としては、一番戦力が整っているのではないでしょうか。 組み合わせを見ると、厳しいパートです。初戦で勝てば次は、都城高校が待っています。そこを突破すれば、次は日南学園でしょう。投手陣に踏ん張りを期待したいと思います。 宮崎日大は、比較的恵まれたパートに入っています。新人戦で準優勝、秋、春の九州大会県予選は、いずれも日南学園と対戦、好勝負をし0-1、1-2と最小得点差で負けましたが、逆に見れば差はないとも言えます。 チームとしては投攻守が高いレベルでバランスが取れています。昨年夏の決勝で悔しい思いをした選手が今年のチームの中心を占めており、雪辱に燃えています。 主戦は別府。直球とカーブなど変化球の緩急をコントロール良く決め、打たせて取ります。酒生は思い切りの良い投手です。楠本は、185㎝の長身から角度のある球を投げます。 基本的には先発が出来るだけ引っ張り継投で逃げ切るパターンです。攻めは足技を積極的に使って相手投手や内野陣を揺さぶるのを得意としています。 走者を溜めて竹之下、玉野、谷山などの中軸に廻すと大量点も望めます。守備はセンターラインがしっかりしていて、守備から崩れることはありません。 ナインは、「昨年の轍は、二度と踏まない」と、リベンジを胸に大会に臨みます。
大会が始まってから、思うような練習さえ出来なかった、まして満足な条件に恵まれず、野球をしなければならず敗れ去った球児たちには、今年の天候は気の毒な限りです。 最後の試合くらい、きちんとした体調と、グランドコンデションで高校野球の最後の試合に臨んで欲しかった。選手本人はもとより、指導者、チームメート、家族など関係するみんなが、そう思ったことでしょう。 まだまだ、天気については油断できませんが、延び延びになった影響は、試合日程を直撃し、残りの1回戦、2回戦は、サンマリン、アイビーのほか「ヒムカスタジアム」の3球場を使って行われるとのこと。 長いこと高校野球を観ていますが、甲子園を賭けた夏の宮崎大会が、3つの球場を使って行われるなんて記憶にありません。 これまでの順延分をカバーするためと思いますが、そうなると試合間隔が短くなり、選手の体調管理にも影響が出そうです。 各球場の今後の予約の状況もあるのでしょうか。 「そんなに急いでどこへ行く」ではありませんが、松元泰理事長はじめ宮崎県の高野連幹部や、各学校の指導者の皆さんも大変でしょう。お気持ちをお察し致します。
7月14日(土)、中心が宮崎県南部を横切った台風4号は、不幸中の幸いと言いますか、被害の大きさは予想を下回ることができました。確かに宮崎県の中央に位置する西都市や日向市などは、水による被害をうけました。特に、西都市では今話題の完熟マンゴーのビニールハウスを水が襲い、収穫前のマンゴーが大打撃を受けました。 7月15日(日)、久しぶりに見る青空です。高校野球も、やっと試合が出来る状態になりました。ただ、宮崎県の夏の大会としては、はじめて3球場を使っての遅れた試合日程の消化です。勝ち上がればより試合日程はタイトになってきます。体調管理にも神経を使わなければならないでしょう。
ところで、15日の試合はどこの球場も物凄い風が吹いていました。台風は既に関東まで達していたと言うのにです。球場のスコアボードの旗が千切れんばかりの強風でした。 当然、試合にも影響が出ていました。特に、高く上がったフライの処理にはどのチームも苦労していました。台風の吹き返しの西風ですので、打者にとっては有利です。何しろ本塁からレフトに向かって吹くのですから。ひむかスタジアムの本庄高校海老原の一発や、延長13回に飛び出した宮崎北高の伏兵宮元の決勝の一発は、まさしく風に乗ったホームランでした。15日は、都城高校の西川投手に注目していたのですが。本来ですと140㎞を軽く超えるストレートが魅力の豪腕投手ですが、春先にボールを頭に受けて、調子を崩していました。回復具合はと言いますと、クエッスチョンマークです。まだ完全に復調したとは言えないでしょう。確かに短いイニングでしたが、相手にもよりますから。投手陣の柱へ復帰できるか。次戦で答えが出ると思います。 その他、高千穂高校が面白いですね。雨空を見上げながら、何度か宮崎ー高千穂間を、往復してましたが台風接近時は帰ることも出来ず、宮崎に泊まり試合に備えました。車ですと3時間30分はかかりますから。移動だけで大変です。気の毒ですが。で、初戦、小林工業に10-0と7回コールドで快勝しました。高千穂高校のコールド勝ちは記憶にないですね。4~5年前、奇藤投手を擁して評判になったことはありますが、今年は主戦戸高が良いですからね。打線も主砲の佐藤敏が4本、3番の伊藤祐が長打を含む2本と中軸が当っていますので、今後が楽しみです。
7月16日(月)、風も収まり絶好の野球日和です。ちょっと蒸し暑いですが。 この日の注目は、日南学園、都城商業、宮崎商業に泉ヶ丘。 まず日南学園は、高原高校と対戦しました。先発は2年生の左腕有馬です。もちろん注目を一心に集める大会1、2の投手です。 結果はさすがのピッチングでした。140㎞前後のストレートを主体に切れの鋭いスライダーを制球良く投げ込んでいました。奪三振は12、四球1に被安打はわずか2。 文句なしの9回でした。ただし、打撃陣がいけません。初回に幸先良く1点を挙げましたが、後が続きません。 ジリジリするような展開が8回まで続きました。それでも得点はわずか3点です。初戦は確かに難しいでしょう。 ま、高原高校も岡元監督に鍛えられたチーム。エース・田中もソコソコの球を投げますからね。雨で1週間も延ばされました。その辺は割り引かねばなりませんが、全体に当りが止まっています。特に4番中本のノーヒットが心配ですね。 都城商業は、飯野高校と対戦しました。前半から得点を重ね、終わって見れば10-3です。しかし、9回を戦い切ってのスコアです。ヒットは面白いように打ち、確か15安打でしたか。四球も二桁もらったはずです。それにしては効率の悪い攻めです。残塁も12でしたか。ちょっと多いですね。 確かに打撃には迫力があります。ですがこの試合は当然、コールドで終わって良い試合のはずです。 一方、主戦永吉は、今日は「馴らし運転」でしょうか、余裕でしょうか、3回で早々と退きました。この間、ヒット1本は打たれましたが、盗塁失敗がありましたので、9人できっちり締めました。制球もまとまっていて問題ないでしょう。 4回からは、経験をつませるのでしょう。1年生の藤本を持ってきました。
宮崎商業は、高鍋との対戦です。ここにも2年生の大型左腕・赤川がいます。この試合では、初回から飛ばしていました。高鍋のバッターの空振りばかりが目立っていました。高鍋は打線の編成上、仕方ありませんが8人が左です。当然バッターは不利でしょう。 結局、16個の三振を喫しました。そのうち12個が空振りの三振です。これだけ三振を取ったのですから、良かったのでしょうが、立派な身体(184㎝、87㎏)を十分使い切っているかと言いますと疑問です。投げ方が、いわゆる「イチ、ニー、サン」。タメがないのです。 高鍋も初戦では16本のヒットを連ねた打撃のチーム。左対左の不利があったとは言え、2塁打を含む6本のヒットを浴びせ意地を見せていました。 左打者に打たれるそこらへんが赤川には課題でしょう。 チーム打撃も今1歩です。挙げた2点は相手ミスによるものですから。上位戦になると、宮商はよっぽど気合を入れないと厳しいでしょうね。今日の戦い方を見てそう思いました。 もう1校の都城泉ヶ丘ですが、今日は部員不足と経験不足のチームが相手。相手が、名前負けし勝手に転んでくれた感がありますが、7回コールドの8-1。主戦諏訪も相変わらず投球術に長けていました。マウンドでは落ち着き払っています。 打線も相手のミスに付け込んだり、連打で得点を重ねたりと、攻撃力は春より、格段に上がっています。センバツでの1勝がナインに、確固たる自信を植え付けているようです。 ただし、不安材料もあります。諏訪に続く2番手投手です。これからは日程が過密化してきます。センバツでも諏訪の2戦目は、アップアップでした。 そうしたスタミナが克服出来ているか。細身のタイプですので余計心配です。控えの牧田の踏ん張りが大きなウェートを占めそうです。
7月17日(火)、今大会は県北勢の活躍が目立っていますね。延岡学園、日向、延岡工業、延岡商業、延岡星雲、聖心ウルスラそれに高千穂ですか。 まだ、2回戦段階ですが例年ですと、延岡学園、ウルスラ、延岡工業、日向辺りが残っている程度ですので頑張っている方でしょう。。 延岡工業は、宮崎南の拙守と投手の不調に助けられた感じで、9-1と七回コールドで勝ち上がりました。下位の7、8番は長打が、上位は足技が冴えていました。 今日のように黒木宏―松田―甲斐恭の継投がうまく決ると面白くなるかもしれません。差し当たっては、次の福島戦が正念場でしょう。 延岡商業は、初戦で今年1年間負け続けていた延岡高校にコールド勝ちして勢いに乗ったのか、今日は初戦で12安打、14得点の西都商業を左腕尾宮が2安打に抑え、打線も二桁の11本と爆発して2戦続けてのコールド勝ちです。次の宮商戦が楽しみです。
妻―都城戦は好カードのひとつでした。妻の主戦森松が、打撃に自信を持つ都城打線にどれだけのピッチングをするのか、非常に楽しみな一戦と期待していました。 結果は、終盤まで1点を争う緊迫した期待通りの好ゲームでした。 結局、九回ポイントゲッター・冨里のライトへの痛烈な3塁打で2者が返り、5-2で都城が打ち勝ちました。ところで、この試合の先発はサイドスローの仙田山。西川に繋ぐ先発の役目を担っている最近急成長してきた投手です。 この試合は、九回2死まで投げて被安打6、自責点2は合格点でしょう。 一方、西川投手ですが、この試合は登板しませんでした。試合が緊迫していたので普通の状態であれば、登板してもおかしくない展開です。 試合にはセンターを守っていて、2塁打を含む4の2と打撃で気を吐いていましたが、最後の1死は小中が登板。何故だかわかりません。 次の日南学園戦のための温存でしょうか。それとももう一つの体調なのでしょうか。 1回戦で、宮崎第1相手に16安打と打ちまくった宮崎西高。この日の相手は、格上と目された日南高校です。大方の予想は日南有利です。 ところが、高校生の成長はわからないもの、どちらかと言うと貧打のイメージが強かった宮崎西高ですが、初回、先頭永井が日南の好投手山田に食らい付き、中越え3塁打を放って1点を先取すると、「いける」と波に乗った打線は、強豪日南と互角の戦いを演じ延長にもつれ込みました。 そして、十一回表、相手ミスで得たチャンスを適時打や2ランスクイズなど得意の足技を絡めて3点を挙げ逃げ切りました。これまでの宮崎西高の戦いぶりからは、失礼ながら考えられない変身ぶり。次の試合もいけそうです。 日向高校も順調に勝ち上がっています。6月の県選手権決勝で都城商業に大敗した影響は、全くみられません。むしろ良い薬になったように思われます。この日の相手は強豪・鵬翔高校を破った都城東高です。投攻守まとまった好チームです。もう既に一試合戦っていますが。 日向はこの日が初戦ですので立ち上がりが心配されましたが、杞憂に終わりました。初回、先頭打者が右前に引っ張りヒットで出たのが、チームのムードを良くしたのでしょう。2回には7番坂本の3塁打とスクイズで2点を先取、その後も着々と得点を重ね、12安打で8点を挙げ都東に快勝しました。 一方、日向高校の注目の大型左腕・柳田は、久しぶりの実戦で調子は今ひとつ。球は走っていて9つの三振を奪いましたが、後半は疲れから制球を乱す場面が見られ、仕舞には相手6番に一発を浴びる始末。球数も161は、いかにも多い気がします。次戦で本来の投球を見せてもらいたいと思います。 最後に宮崎日大。この大会の優勝候補に挙がっています。 今日の相手は、初戦でAクラスの日章学園を延長で破って、勢いに乗る都城工業です。初戦は主戦牧野が先発しました。そして、11回を投げ切り11個の三振を奪っています。スタミナ抜群の大会でも好投手に数えられている一人です。 この試合も先発です。宮崎日大は、制球力に自信を持っている右の別府が先発です。昨年夏も経験していて、三振も取れる投球術に長けた投手です。 両チームともに破壊力を備えた打線ではありません。どちらかと言うと、投手を中心に守り抜く野球が身上のチームでしょうか。
この試合もまさにそんな展開になりました。初回に都城工業が、別府の立ち上がりを攻め、内野安打と敵失でつかんだ好機に5番の杉水流が中前に打ち返して、幸先良く1点を先制しました。 一方、宮崎日大は五回まで牧野にヒット2本に抑え込まれて、前半は完全に都城工業のペースです。 ようやくと言うかやっとと言いましょうか、六回2死から4番玉野がヒットで出て続く松川に左中間2塁打が飛び出し、試合を振り出しに戻しました。 続く七回は先頭打者が内野安打で出ると、犠打や四球で迎えた2死1、2塁のチャンスに、2番谷山がセンターへヒットを放ち2塁から志佐を迎え入れ、ようやく勝ち越しに成功しました。、主戦別府の要所を締めるピッチングで初回の1点以降、都城工業に点をやらず接戦にケリを付けました。
7月18日(水)福島高校の延長戦勝利には驚きましたね。確かに6月の県選手権は、本大会ベスト四まで進んでいましたから、ある程度の力は持っていました。しかし、聖心ウルスラを退けるとは思ってもいませんでした。何しろ初戦で、勝ちはしたものの都城西高の2年生左腕投手に、8回で17個もの三振を喫していましたからね・・・・・・・。 1点ビハインドの七回に、1死2、3塁の場面に6番川島がセンター前のヒットで同点、さらに2塁走者も本塁を狙いましたが、惜しくもタッチアウトで逆転はなりませんでしたが、ここまでウルスラの田原投手にヒット2本に抑えられていて、チャンスらしいチャンスは一度もありませんでしたから、この1点は大きかったですね。押し気味にゲームを進めていたウルスラに分があるとみていたのですが・・・。十回に2死から1番武田のヒットで2塁から一木を迎え入れサヨナラです。ウルスラは六、七回の好機をモノに出来なかったのが最後まで響いた感じです。投手田原は良く投げたと思います。
今大会は、1点を争う好ゲームが目白押しです。初戦で強豪・宮崎学園を延長十三回、2ランホーマーでケリをつけた宮崎北が、2回戦も本庄高校と緊迫した投手戦を展開、3-2で本庄を退け、87回大会以来の3回戦進出を果しました。 宮崎北は、右本格派の湯川が先発、本庄は小柄な左腕黒田と、両エースが序盤から持ち味を存分に出した投球を披露しました。宮崎北は、三、四回に相手守備のミスや先日の宮崎学園戦で、決勝本塁打を放った宮元の3塁打などで1点ずつ挙げると、本庄はその裏、2死1、2塁に6番海老原が左越えの3塁打を放ち、すかさず同点に追いつきます。しかし、宮崎北も引き離しにかかり、六回1死3塁の好機に5番青木がセンターへフライを打ち上げ、3塁から中原を迎え入れました。 結局、この1点が決勝点となり宮崎北の3回戦進出が決りました。本庄高校も終盤、代打攻勢で攻略の糸口を見つけようと懸命に食らいつきましたが、今一歩届きませんでした。宮崎北の湯川投手は、前の試合で200球を超す投球をして中1日での登板です。この日は、四球が4個あったもののストライクが先行し投球数も102と間隔が短かった割には良い投球が目立ちました。
因みにスコアは3-2です。先ほども書きましたがこの大会は、本当に僅差の大熱戦が続いています。 この試合あでは、中盤までは宮崎工業が2点を挙げて投打とも押していましたが、今年の高千穂は一味違います。七回裏に1死2、3塁の絶好のチャンスに5番甲斐が左越えの3塁打を放ち2者が返り同点に追いつきました。 高千穂は九回裏、1死2、3塁の絶好のサヨナラの場面を作りました。しかし、6番工藤の放ったサードゴロで3走が本塁へ突っ込みましたが、寸前で憤死。試合は延長に突入しました。 宮崎工業は武田―新原―長友の継投で、高千穂はエースの戸高がマウンドを守り、回は進んでいきます。わずかに戸高に疲労が見え始めた十三回ころから宮崎工業がチャンスの目を広げるようになってきました。 そして、十五回表、1死後、死球で出た走者を2塁に送って、迎えた2死2塁の場面、今日一番当たっている6番金田が左打席に入りました。金田は見事、期待に応えて、初球をセンター右に運ぶこの試合4本目のヒット。2塁走者がホームインし、待望久しかった1点が宮崎工業に入りました。 高千穂もその裏、四球2つを選び懸命に反撃を試みましたが、わずかに届かず、試合終了のサイレンを聞きました。 主戦・戸高は、15回で203球を投げ抜き、何度も訪れる危機を気力で跳ね除け、粘りの投球をしましたが、勝利の女神は最後まで微笑ませんでした。
日向工業と都城農業の試合は、1点リードされた都城農業が三回に打者10人を送る猛攻でヒット6本を集中させ、一挙6点を奪うビッグイニングを作り、終わってみれば14安打で8点を奪い快勝しました。 守りでは無失策で切り抜け、投手陣も森―志々目とつなぎ、日向工業の反撃を四回の3点で断ち切りました。特に、救援した右サイドスローの志々目は変化球が切れていたのでしょうか、最後の2イニングで三振4個を奪い勝利に貢献しました。 都城農業は、大会直前の7月5日、会場のアイビースタジアムで十分な調整を行ったのが功を奏したのでしょうか、過去1年間の公式戦でいま一歩の成績もこの大会に入って既に2勝。 この試合でも三回の攻撃には、迫力と勢いを感じました。今後の戦い方が注目されます。
今年は特待生問題が表面化して、5月の1ヶ月間、対外試合を禁じられた私立の多くの学校が、シードから外れたり、戦力未知数のまま大会に臨んだため、早い段階から有力校同士の対戦が組まれ、しかも長雨の影響でなかなか試合展開が読めません。それだけ面白さも増しています。 有力校同士と言えば、今日の都城商業―延岡学園は、3回戦段階ではこれから先を占う意味で興味の尽きない対戦だったと思います。 結果から言えば2-0で都城商業が完封勝ちを収めました。 先発は都商が2年生の大型右腕金田、延学はエースの齋藤です。 初戦日向学院とは延長十回、2回戦は強豪の佐土原相手と、いずれも気の抜けない2試合に完投してきた延学齋藤と、今日が初登板の成長著しい2年生金田投手です。 ゲームは序盤から動きました。都商は先頭の中原が左中間を破る3塁打を放つと、2番福島が1球ファールの2球目をセンターへ持って行く、目にも止まらない速攻が決ってゲームの主導権を握りました。 延学に考える暇を与えないこの1点は、その後の展開に、特に延学 齋藤に大きなダメージを与えた気がします。 動揺を隠せない齋藤は二回に先頭バッターに死球を与え、三回も死球と四球で走者を溜めるなど、今ひとつ調子に乗れません。 そして、四回につかまりヒットで出た先頭打者を犠打で送られた後、8番バッターにタイムリーを浴び、差は2点に広がりました。 しかし、五回以降は自分を取戻し、都城商業の強力打線をほぼ完璧に抑えました。 初回の先制パンチがなんとも悔やまれる1球になった気がします。 一方の都商金田は、ピンチらしいピンチと言えば六回くらいでしょうか。1点は取られても仕方のない場面を向かえました。しかし、バックの好守備にも助け助けられ、この回を無失点で切り抜けると、そのまま九回を投げ切り、延岡学園に対し被安打5の完封勝利を挙げました。 スコアブックを見ますと、球数は129。延学のアウトは振り遅れからか、フライアウトと早いカウントからのバッティングが目立ちます。球威があり、制球も安定していたことがうかがえます。これで都城商業は、初戦登板のエース永吉、1年生藤本と金田が加わり投手陣は万全でしょう。打線はこの試合では5本しか打てませんでしたが、足技も得意で、今年こそ何とかなりそうな予感がプンプンしてきます。
延岡星雲-都城泉ヶ丘戦は、泉ヶ丘が格の違いを見せ付けてのベスト八進出でしょう。 なんと言ってもエースの諏訪投手。前の富島高校戦は、三回までの調整登板でした。 完投はこの大会、今日の試合が始めてです。打たれたヒットはわずか2本、奪った三振が丁度10個。星雲に3塁を踏ませない投球を披露しました。ただ、この試合では四死球が4個、それも無死や1死からボールが続き簡単に歩かせたり、死球を与えたりと出さなくて良いランナーも見られました。上位戦になればなるほど、1球の大事さがウェートを占めてきます。 春から見てもマウンドさばきには定評がありましたが、投球数103から、内野ゴロが多く打者との駆け引きで低目の球をうまく打たせている様子が垣間見れます。 打線は、2番の道久が3本、諏訪も2塁打を放つなど力をつけてきてはいると思いますが、チャンスに1本が出ない場面が多く見受けられます。 この試合では残塁9ですが、得点は3。もう少し点が取れた気がします。
日南学園は、6-2で都城高校を退けました。日学の先発は3本柱のひとり2年生の左腕・中崎でした。 被安打7に奪三振9、自責点が2と言う内容です。 五回まで点をやらず、試合を作ったと言うことでは評価出来ますが、六回2番打者に追い込んでから3塁打を喫したり、最終回も無死から相手4番に2球目を右中間に引っ張られるなど、後半の2点は、慎重にいけば防げたかもしれません。 普通のチームの投手でしたら好投で済むのでしょうが、春の九州準Ⅴいや実力はナンバーワンと言ってもいいチームです。その中の成長途上の2年生投手。先を見据えた場合、今から細かい野球の精度を上げていかなければ、全国を勝ち抜くことは出来ません。 ただ、奪った三振9個のうち、7個が空振りと言うことはそれだけ変化球が切れていたのでしょう。 打撃にも同じことが言えます。 初回から相手のミスに乗じて2点を先制しました。二回も長短打で1点追加し序盤でかなり精神的な優位に立ったはずですが、七回以降は無安打、合計11本のヒットで10残塁は多過ぎる気がします。 4番中本は1本打ちましたが、まだまだ全体的に本調子には遠い感じです。 実力から言って、4強まではスムーズに行くでしょうが、このまま調子が上がらないと、どこかのチームに足元をすくわれかねません。次の試合がチーム、特に打線のバロメーターになると見ています。
7月20日(金) もう20日と言う感じ、例年ですとベスト四が出揃う頃です。 今日は3回戦3試合が行われました。ラジオを少し聴いていましたら、「雨で中断」なんて言うものですから、少々びっくりしました。延岡にいたのですが雨の気配は全くありませんでしたので。ただ、低い山までモヤでしょうか霧でしょうか、かかっていましたが。 ところで、今日はいつもと違い少し大味と言いますか、暴投の日と言いますか、何と言いますか後味のすっきりしない試合が続きました。これも下(グランド)のせいでしょうか。 第1試合は、延岡商業にも十分勝機があった気がします。宮商の先発・赤川投手、特に、立ち上がりはかなり乱れた様子が伺われます。一回裏を見ますと、与四球がふたつに死球まで。しかも失策までもらっているのですから最低でも1点は、延商に入っていてもおかしくないはずです。 前半を見るかぎり、主戦赤川の制球にばらつきが見て取れます。安打も二回の津田聖の3塁打を含め5本も打たれています。津田聖は左打者です。ライトへ引っ張られると言うことは、球威にも欠けていたのでしょうか。 ただ、三回までに6個の三振を取っていますが、いずれにせよ延岡商業には、付け入るスキが何度かあったと言えます。二回はその3塁打で、ヒットで出ていた尾宮を返して1点、三回も5番安在の、レフトへのタイムリーで、もう1点追加しています。 一方の宮商は、初回に中軸の長短打で2点と、前の試合とはうって変わった速攻で先制しています。四回も主砲上柳のライトへのヒットを、打撃好調の小窪が中越えの2塁打で返し、同点後すぐに勝ち越しに成功しています。 この辺は、前の高鍋戦での貧打と残塁のヤマの教訓が良く活かされています。 さらに、八回は内野安打と2四球の2死ながら迎えた満塁のチャンスに、小窪が左中間突破の2塁打を放ち走者を一掃、差は4点と広がりました。さらに最終回は2番三松の中前タイムリーで1点を加えダメを押しました。少なくとも攻撃に関しては、安打9で残塁は、わずかに4と非常に効率的な攻め方が光っています。赤川は8回を投げて奪三振10個。後半は立ち直った様子が見られます。 延岡商で惜しかったのは、四、六回の場面。先頭打者がヒットで出て、打者はいずれも投手の尾宮。四回はスリーバントを失敗、六回はこれも送りでしょうか。3塁にフライアウトになっています。トップの津田聖が当たっていただけに惜しまれる逸機です。終盤の4失点は、これらのミスが、ピッチングに尾を引いたのでしょうか・・・・・。 しかし、久しぶりに見せてくれた延商の快進撃。胸を張って後輩に部を託してもらいたいものです。
第2試合は、宮崎西高ー宮崎工業です。 丁度1時にラジオをつけたら雨のため中断中。「えぇなぜだ?」てなもんです。 延岡の周囲の山々にはモヤがかかっていて、雨の気配など全く予想もできないのですから。しかし、夏場は良くありますね。こんな天気。自分がいるところは雨が降っていて、100m先は晴れていると言うようなこと。 ところで、今大会の宮崎西高の健闘には正直びっくりです。こんなに粘りがあって打つチームとは、失礼ながら思いもしませんでした。1回戦の宮崎第一戦が16安打、2回戦はシードの日南高校に、終盤粘って延長までもつれ込み、十一回に一挙3点を奪っての勝利でした。打線も2試合連続の二桁安打ですから。ほんと良く頑張っているなあと、思います。 今日の試合はと言うと、前の2試合以上の粘りを発揮しました。七回には、6点の差をつけられ、ランナーを3塁に置かれて、1打出ればコールドと言う場面を迎えました。が、気力と気迫でこの危機を乗り越えました。これだけでも大したものです。 ところが、この差を追いついたのですから。驚異的な粘りです。回は終盤の八回でした。普通ならば諦める絶望的な6点差です。しかし、西高は「絶対勝つぞ」と、それまで以上に気力を振り絞り宮崎工業の好投手武田に向かっていきました。 1死から怒涛の攻めを展開、四球とヒット2本で迎えたチャンスに、2連続暴投で武田を引きずりおろし、代わった長友に対しても攻撃の手を緩めず6番以下が4連打で、とうとう6点差を追いつきました。 その裏、宮崎工業に暴投などで2点を入れられ、またまた苦境に立ちましたが、最終回、先頭の永井がヒットで出て1死後、盗塁に成功。打順はクリーンアップへ回りました。 しかし、今からと言う時に、投手と遊撃手のタイミング良い連携で、俊足の2塁走者がタッチアウト。反撃のトーンは、音を立てて崩れていきました。それでも、3番高山は、最後のバッターにはなりたくないと、思い切りバットを振り抜くと打球はセンターの頭を越えてフェンスまで達する3塁打です。宮崎工業はここで抑えの切り札・新原をマウンドへ送りました。 4番村上も最後まで粘りました。カウント1-1からの3球目。真芯に当たった打球はレフトの頭上めがけて飛んでいきます。ホームランか・・・・・? 打球は、無情にも懸命に背走したレフト村上のグラブに納まり、宮崎西高の「熱すぎる」夏が終わりました。この大会で3試合を戦いそのどれにも、思い出を深く脳裏に刻み込んだ夏、最高の仲間と戦った最後の夏。 成長の跡を確かに示してくれた宮崎西高ナイン。今度はそのたぐいまれな粘りと闘志を大学受験にぶっつけてもらいたいものです。
第3試合は、お隣同士の対戦です。 普通お隣同士と言えば、「仲良く、楽しく、助け合い」と言うイメージが浮かびます。 もちろん、野球の試合においては勝つために互いが死力を尽くします。 ところが、今日の宮崎日大―宮崎北高の「お隣対決」は飛んだことになってしまいました。 まさかまさかの14-2の5回コールドです。 勝者は宮崎日大です。だれがこんな結末を予想したでしょうか。 宮崎学園、本庄高校と僅差の緊迫した試合を続けてきた宮崎北。強豪都城工業と互角の接戦を演じ2-1で辛勝した宮日大。両チームとも特に秀でた破壊力を持つ強力打線ではありませんが、ソコソコのものは持っており、接戦が予想されました。 初回から誤算が生じたのは両校の先発投手です。 宮崎北はこの試合が3試合目の主戦で責任感の強いキャプテン湯川。右の本格派で、球威のあるストレートを持っています。 一方の日大は、この大会初先発の右の大型投手楠本です。 宮崎北は初回、先頭の河野が四球を選んで出塁すると、2番潟山が送り2死3塁から相手投手の暴投で労せずして1点を取る幸先良いスタートを切りました。 その裏の日大も先頭打者が死球で出ると、2番谷山がすかさず送りバントを刊行しましたが、好守に阻まれ2塁へ送れません。 しかし、借りを返すクリーンアップの連続ヒットで振り出しに戻しました。 宮崎北の主戦湯川は、3試合目の疲れか、肩の調子がおかしいのかストライクが入りません。 この回だけで21球を費やし、既に3本もヒットを打たれています。 「こんなはずではない」・・・・・恐らく自問自答を繰り返したこと思います。 二回の表、味方がまた1点勝ち越してくれました。本来ならば主導権を握り乗っていく場面です。 悪夢は、早くも訪れました。 二回の裏、この回になってもボールがストライクゾーンに入ってくれません。 みんな高く抜けていきます。やっと打ち取った打球も落球と、チーム全体がおかしくなっています。 人一倍責任感の強いキャプテンです。「何故だろう、何故だろう」打たれるたび死球を与えるたび、自分の頭の中は、真っ白になっていきます。 そして、この回、1死も取れず2番手鎌田にスイッチしました。 こんな想定外のことなど考えもしなかった鎌田が動揺しない訳がありません。 まだ、完全に出来上がっていなかった肩から投ずる球は、みんなストライクゾーンを外れていきます。 傷口は、ますます深まりました。 気が付くとスコアボードには信じられない数字が入っていました。7点です。 この回、四死球が5個、打たれたヒットが3本、エラーも3つ点灯しています。 恐らく初めての経験でしょう。 しかし、これで終わりませんでした。三回に入ってもボールはストライクゾーンに行ってくれません。四球は二桁に乗る勢いです。暴投もいくつ記録したでしょうか。7番バッターに左へ2塁打を打たれさらに5点を献上してしまいました。 投手が松田に代わり、ようやく試合が落ち着いてきました。しかし、まだ四回というのにスコアボードには、ラグビーのような点数が刻まれています。 大半の宮崎北ナインは、初めて味わう屈辱でしょう。 しかし、下級生はしっかり目に焼き付けたはずです。「今日の悔しさを忘れるな」。 一番責任感の強い湯川キャップテン、今夜は眠れないでしょう。しばらく考える時もあるでしょう。 しかし、これからの人生でリベンジの機会はいくらでもあります。 こんな悔しさは、誰でも味わうことは出来ません。むしろ素晴らしい経験をしたと思って下さい。 苦しい時は思い出してください。この時のことを。 きっと将来、役に立ち笑って振り返られる時が来るはずです。
7月21日(土) 台風が去って、順延がなくなりました。 一時的に中断はあっても、このまま何とか日程は大丈夫でしょう。 今日は日向高校と都城農業、延岡工業と福島高校の2試合が組まれていました。 第1試合の日向高校―都城農業戦は、ハラハラドキドキの大接戦、延長12回までもつれ込みました。結果は2-1で日向高校の勝ちです。 前にも書きましたが、6月の県選手権決勝で都城商業に19安打で15点も取られた影響は完全に払拭されています。
選手の動きは非常に良いようです。 特に投手陣。中でも先発陣が安定しています。主戦新名、柳田の3年生に、成長著しい2年生の井上、今大会まだ投げていませんが、これも成長著しい2年生の薄田も控えています。 今日の試合では守備が光っていました。五回はライトのミスから、走者を3塁まで進ませ適時打を浴び同点に追いつかれましたが、一打逆転のピンチの場面でピッチャーゴロを冷静に判断、まず飛び出した走者を挟殺プレーで殺し、2塁を陥れようとした打者走者をタッチアウト。一瞬にして併殺を完成させました。自分達で犯したミスを、自分達で最小失点で食い止めました。評価出来るプレーだったと思います。 七回は1死から2塁打で出た走者を3塁に送ろうとしたバントが投前のフライになり、2塁ランナーは戻れずこれもダブルプレー。前の2つを含めこの試合3つの併殺を完成させました。 都城農業も先発した2年生左腕永田洸が、緩急をつけた巧みな投球で日向打線に的を絞らせず、延長十二回の1死まで引っ張り、エースの志々目に交替しました。 永田洸にとっては高校に入り、おそらく公式戦最長の登板イニング数でしょう。自責点わずか2と好投しました。新チームのエースとして活躍してもらいたいものです。 ただ、打線が日向高校の巧みな継投の前に1点しか奪えず敗退しましたが、強豪相手に勝ちに等しい好投で大きな自信をつけたことと思います。 日向高校の次の相手は日南学園です。今日の試合ではバントなど、犠打で進める手堅い攻めが目立っていましたが、ここ1本が出ない詰めの甘さも露呈しました。延長十二回に、ようやく4番の長打で勝ち越しましたが、ヒット11本で残塁12は少し多過ぎます。 日南学園の投手陣からは、そう点は奪えないはずですのでチャンスを確実にモノにする勝負強さと、投手陣のいつも以上の踏ん張りが必要でしょう。
もう一試合、延岡工業と福島高校戦。 結果は7-0。七回コールドで延岡工業がベスト8進出を決めました。 福島高校は、都城西高や聖心ウルスラなど投手に自信を持っているチームに競り勝っての3回戦進出です。原動力は2年生左腕の竹原です。 過去2戦とも完投している、春以降、急成長を遂げた伸び盛りの投手です。 しかし、大会3戦目の先発です。そろそろ疲れが出てきたのでしょうか。 この日は球のキレが悪く、序盤から延岡工業打線につかまり、四回途中で降板、右のエース武田栄と交替しました。福島高校にとって当然、継投は考えていたでしょうが、四回はちょっと早過ぎ、誤算だったと思います。 一方、延岡工業は、打線が好調です。上位下位満遍なく良く当たっていました。 チャンスに早いカウントから打って出る積極性も見られました。 9安打で残塁がたったの4つは、効率的に点を取った証しでしょう。 1、2、3番と7、8、9番が左の延工打線が、今大会勢いのある福島の左腕投手を攻略したのは、大きな自信になること思います。 一方、ピッチングスタッフの方は、黒木が先発し、松田、甲斐恭と | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||